親戚同士の不動産売買で起きた体験談と注意点

不動産売却

冨田  誠次

筆者 冨田  誠次

不動産キャリア27年

親戚同士の不動産売買で起きた体験談と注意点|名古屋市中村区の事例から解説


不動産売買は人生の中でも大きな出来事の一つです。通常は不動産会社や金融機関を介して契約から決済、登記までを同日に行うのが基本です。しかし、親戚同士の取引では「親戚だから大丈夫」という安心感から、通常の手続きを省略したり甘く進めたりしてしまうことがあります。


これが思わぬトラブルや税務リスクにつながるのです。今回は、名古屋市中村区で実際にあった親戚間取引の体験談を交え、注意すべき点を詳

しく解説します。


1. 体験談:登記書類を先に渡し、振込は後日という取引


ある不動産売買でのことです。売主は行政書士で、普段から相続相談などを多く受けている立場の方でした。法律や登記の知識を持つ専門家であれば、通常の取引フローに精通しているはずです。しかし、このとき相手が示してきた条件は意外なものでした。

「親戚同士だから、所有権移転登記の書類を先に渡してほしい。振込は10日ほど後で構わない」

不動産取引の基本は 代金振込と登記書類の受け渡しを同時に行うこと です。これが崩れると、売主が代金を受け取らないまま所有権だけが移転してしまう可能性が出てきます。実際、過去には「親が子に家を生前贈与したものの、後から追い出されてしまった」という事例もありました。


私はその話を例に挙げ、「振込後に登記するのが筋です」と伝えました。

それでも売主は「親戚だから大丈夫」と譲りませんでした。やむを得ず書類を先に渡しましたが、その際にはこう念を押しました。

「事件が起きた場合は知りませんよ」

幸い、10日後にきちんと振込があり、無事に取引は完了しました。しかし、これは結果的に問題がなかっただけで、仕組みとしては大変リスクの高いやり方だったのです。


2. 登記と決済を同時に行うのが鉄則


不動産取引では、売主と買主が同時に義務を履行する「同時履行の原則」が基本です。銀行の決済室や司法書士の事務所で、次のような流れを踏むのが通常です。


  1. 売主が登記書類を用意する

  2. 買主が代金を用意する

  3. 決済当日に司法書士が立ち会い、代金振込と登記申請の準備を同時に進める

これにより、どちらか一方が不利益を被るリスクを防ぐことができます。


もし登記書類を先に渡してしまえば、買主が支払わなくても所有権を得てしまう可能性があります。親族間だからといっても、この鉄則は崩してはいけません。


3. 相場より安い売買と贈与税のリスク


今回のケースでは、さらに「親戚だから安くしてあげる」という理由で相場より低い価格での売却が行われました。例えば、相場3,000万円の土地を2,000万円で売った場合、その差額1,000万円は 贈与 とみなされる可能性があります。

税務署は親族間の売買を特に注視しており、不自然に安い価格は贈与税課税の対象になり得るのです。


ただし、今回の土地は 間口3.9m しかなく、一般的な土地に比べて流通性が低いという事情がありました。間口が狭い土地は、建築の自由度が下がったり駐車スペースを確保しづらかったりするため、相場価格も下がる傾向があります。

したがって、安値での売却にも一定の合理性はありました。この合理性を税務署に説明するためには、不動産会社の査定書などを必ず残しておくことが大切です。


4. 親族間取引で失敗を避けるための対策


親族間の不動産売買では「信頼しているから」と形式を省略しがちですが、それが大きな落とし穴になります。安全に取引を進めるためには、以下の対策が有効です。

(1) 不動産会社の査定書を用意する

間口や形状によって価格が下がる根拠を示し、相場との差を説明できるようにしましょう。

(2) 売買契約書を作成する

親族間でも必ず契約書を交わし、売買価格・決済日・引渡日を明記します。

(3) 決済証明を残す

振込明細や領収書を保管し、実際に代金が支払われた証拠を残すことが重要です。

(4) 覚書を作成する

「代金は〇月〇日に全額支払済み」「本取引は正規の売買である」といった覚書を作っておくと、後日のトラブルを防げます。


5. 名古屋市中村区で不動産売却を考える方へ


名古屋市中村区は名古屋駅に近く、立地条件によって価格が大きく変わる地域です。そのため、相場を正確に把握することが特に重要です。親族間で売買する場合でも:複数の不動産会社から査定を取る


  • 税理士や司法書士など専門家に相談する

  • 契約と決済の流れをきちんと踏む

といった手順を踏むことで、安心して進められます。


まとめ


親戚同士の不動産売買は「親族だから安心」と思いがちですが、実際には多くのリスクが潜んでいます。

特に:登記書類を先に渡すのは極めて危険

  • 決済と登記は必ず同時に行うべき

  • 相場より安い価格は贈与税リスクがある

という点は必ず押さえておきましょう。


今回の体験談では無事に振込が行われましたが、これは結果的に問題がなかっただけです。親族間だからこそトラブルが深刻化する場合もあります。名古屋市中村区で不動産売却をお考えの方は、専門家に相談しながら安全に進めてください。


名古屋市中村区で不動産売却に関するご相談や無料査定は、ぜひ当社までお問い合わせください。親族間取引も含め、安心できるサポートをご提供いたします。

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